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賃貸の初期費用を安く抑える方法とは?費用相場や分割払いについて解説

賃貸初期費用

関口 静男

筆者 関口 静男

不動産キャリア12年

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賃貸の初期費用を安く抑える方法とは?費用相場や分割払いについて解説

賃貸借契約の際には、敷金や礼金などの初期費用が発生します。
なにかと出費が増える新生活の時期に、初期費用がいくらかかるのかが気になる方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、今回は賃貸の初期費用の相場と安く抑える方法、分割払いについて解説します。

賃貸の初期費用とは何か

賃貸物件の初期費用とは何か

賃貸を契約する際の初期費用をわかりやすく表すなら、家賃以外の入居前に支払う諸費用です。
初期費用の種類を1つずつ解説していきます。

敷金と礼金

敷金とは、退去時の原状回復費用などに充てられ、相場は家賃1か月~2か月分です。
原状回復費用などを差し引いて余ったお金は退去時に返還されます。
なお、家賃を滞納したときに敷金から未払い分を差し引くと定めている物件では、敷金ではなく敷引と表現する場合もあります。
礼金は大家に支払う謝礼金で、相場は家賃1か月~2か月分です。
敷金とは違い、退去時の返還はありません。

前家賃

入居する月の家賃と共益費の前払い費用です。
3月に契約し、4月に入居する場合は4月分の家賃と共益費を事前に支払います。
月の途中から入居する場合は、日割り家賃の支払いが必要です。

仲介手数料

不動産会社が借主と大家を媒介した手数料です。
仲介手数料は宅地建物取引業法によって家賃の1か月分が上限額とされ、不動産会社が自社の手数料を設定しています。
家賃の0.5か月~1か月分に消費税を含めた金額が仲介手数料の目安です。

火災保険料と保証会社利用料

賃貸の入居時には火災や水漏れトラブルに備えて火災保険に加入します。
2年更新が多い火災保険料の支払いは、2年分をまとめて火災保険会社に支払うのが一般的です。
個人で選んだ火災保険に加入する場合は、加入証明書類の提示が求められます。
保証会社とは連帯保証人を立てるのが難しいときに、保証人の代わりとなる会社です。
万一、家賃を滞納した際に大家に支払う家賃を立て替えてくれる保証会社を利用する場合には保証会社利用料がかかります。
保証会社利用料は家賃の0.5か月~1か月分が相場で、退去時の返還はありません。
近年では賃貸を借りる際に連帯保証人を立てず、保証会社との契約を条件にする物件が増えつつあります。

鍵交換代

新しい借主の入居時に鍵を付け替える費用で、金額は鍵の種類によって異なります。
鍵の交換をしないと、前の入居者がそのまま鍵を持っていた場合に侵入されるおそれがあります。
防犯上、鍵の交換は必須です。
鍵の種類によって交換にかかる費用は異なりますが、多くのケースで2万円以内になるでしょう。

賃貸の初期費用の相場とは

賃貸物件の初期費用の相場とは

入居時には物件への初期費用の他に引っ越し費用、生活するための家具・家電の購入費用が発生します。
必要な費用ではありますが、できれば安く抑えたいものではないでしょうか。
初期費用の相場と安く抑えるコツについて解説します。

賃貸借契約にかかる初期費用の相場

例として、家賃7万円の物件の契約時にかかる初期費用を実際に計算してみましょう。
敷金・礼金・前家賃・仲介手数料・保証会社利用料を家賃1か月分とし、火災保険料と鍵交換代が2万円と設定した場合は家賃5か月分+4万円で39万円です。
敷金礼金ゼロ、仲介手数料ゼロの物件を契約しても家賃2か月分+4万円になります。
要するに、最低でも18万円程度が必要です。
火災保険の加入は不要だと考える方もいらっしゃいますが、賃貸借契約の際には大半の物件で火災保険の加入をしなければなりません。
これは民法により、近隣宅からのもらい火で自室が焼けても、火元の方に賠償請求ができないのが理由です。
そのため、自室が焼けたときは家財を新しくする費用と自室を元どおりにする費用を自分で工面しなければなりません。
ただし、借主の故意または重大な過失が原因の火災は、大家が火元の借主に損害賠償を請求する場合があります。
火災保険の加入は自分の家財を自分で守り、状況次第では大家への損害賠償責任を果たすために必要です。

初期費用を安く抑える方法

契約にかかる初期費用を安く抑えたいときは、敷金・礼金ゼロの物件を探すという方法があります。
家賃の2か月~4か月分が節約できる敷金・礼金ゼロの物件は、退去時にクリーニング費用の請求となる物件が多いので注意が必要です。
支払うタイミングをずらしてでも初期費用を抑えたい方には適しています。
注意したい点は、契約期間より早く契約を解消すると短期違約金が発生したり、敷金・礼金の金額分を家賃に含むケースです。
提示された家賃を同じエリアの家賃相場と比較し、入居要項や重要事項説明、契約書の内容をしっかり確認して見極めましょう。
例えば、敷金・礼金を家賃に含む場合だと、記載された家賃が他の物件より高くても実質的に払う金額が同じの場合もあります。
引っ越しの繁忙期である1月~3月、8月~9月を避けて入居するのも1つの方法です。
引っ越し費用は、移動距離や荷物量、引っ越し時期などによって変動します。
そのため、1月~3月、8月~9月以外の閑散期は引っ越し費用が安くなるでしょう。
また、閑散期は手続きがスムーズに進みやすいため、時間の節約につながる可能性もあります。

賃貸の初期費用はクレジットカードでの分割払いが可能

賃貸の初期費用はクレジットカードでの分割払いが可能

次に、初期費用を抑えたい方におすすめする方法がクレジットカードでの分割払いです。
クレジットカード払いは多くの不動産会社で対応していますが、まれに対応していない不動産会社があります。
金額が大きい分、現金での支払いが難しいこともあるかと思いますが、クレジットカードを活用することで調整することが可能です。

クレジットカードでの分割払いのメリット

契約時の費用だけでなく、引っ越しや生活用品の購入など費用がかかる時期に支払いの猶予期間が得られる点が大きなメリットです。
たとえば、就職をきっかけに賃貸を契約したくても、入居時は学生で収入がないという場合や急に転勤が決まった場合などに契約しやすくなります。
入居時にまとまった金額が用意できなくても、クレジットカードの引き落とし日までに費用を用意すれば良いためです。

分割払いにする際の注意点

まず、お持ちのクレジットカードが対応しているカード会社ではなかった場合は、クレジットカードを使うことができず分割払いができません。
さらに、初期費用のなかでもクレジットカードでの支払いに対応していないものは現金での支払いになります。
「火災保険料は現金のみの支払いになる」「仲介手数料と保証会社利用料はクレジットカードでの支払いが可能」などの条件の確認が必要です。
また、クレジットカードの手数料や金利にも注意しましょう。
分割払いは分割回数が多いほど手数料や金利の負担が増えるため、結果的に支払う総額が高くなります。
分割払いを利用しつつ、できるだけ総額を抑えたい方は分割回数を少なくしましょう。
一般的に2回までなら手数料と金利がかからないケースが多いです。
そして、引き落とし口座の口座残高の把握も大切です。
残高不足による支払い遅れや滞納を繰り返すと、今後のクレジットカードの発行やローンの審査、賃貸の入居審査が厳しくなる可能性があります。

まとめ

賃貸の初期費用の相場は家賃4か月~5か月分です。
敷金・礼金ゼロの物件を選ぶなどすることで初期費用を安く抑えることが可能となります。
クレジットカードでの分割払いでは、金利や口座の残高不足に注意しましょう。